家庭用エアコンの効きが悪くなったとき、多くの人が
- 「ガスが減ったのかな?」
- 「自分で補充してみよう」
- 「DIY動画みてやってみようかな」
と考えます。しかし――エアコンのガス補充を素人が行うのは、重大な事故・故障につながる極めて危険な作業です。
キツネコロ君動画だと簡単そうに見えるのに…?



冷媒って危険物。絶対に真似しちゃダメ!
なぜ「エアコン ガス補充」を自分でやるのが危険なのか?


エアコンの作業ミスで爆発・死傷する危険がある
エアコンは、正しい手順で扱えば安全に使える機器です。しかし、作業手順を一つでも誤ると 爆発・火災・重傷事故 に発展することがある“危険な機械”でもあります。
その中でも特に注意すべきなのが、工具の整備不良・誤った作業方法・知識不足などが原因で起きる 「ディーゼル爆発」 です。
ディーゼル爆発とは?
本来はディーゼルエンジンで起きる現象に似ており、エアコンでは次のような流れで事故が発生します。
- 密閉された配管内に空気が大量に混入する
- コンプレッサーが空気を圧縮し、高温になる
- 潤滑油(オイル)が自然発火する
- そのまま爆発に至る
という流れで発生します。
特に多いのが、移設や廃棄時に冷媒ガスを回収せずに外す 「ポンプダウン」 を誤って行った場合です。また、DIYでのガス補充でも条件がそろえば ディーゼル爆発が起こる可能性があるため、個人作業は非常に危険です。



正しく作業をしないと、エアコンが爆発することがあるなんて知らなかった!



鉄の塊であるコンプレッサが50メートルぐらい飛んだなんて話もあるね!だから自分はもちろん周囲にも危険が及ぶんだよ!
冷媒は“高圧・超低温で危険”|可燃性は種類によって異なる
家庭用エアコンで使われる冷媒ガスは、高圧で超低温という非常に危険な性質を持っています。特にガス補充作業で必須となる「ゲージマニホールド」を取り付ける際は、残留ガスが一気に噴き出すことがあり注意が必要です。
勢いは強烈で、皮膚に触れた瞬間に凍傷になるほどの低温のため、素手で近づくのも危険です。またエアコンには複数の冷媒が使われており、近年は可燃性を持つR32冷媒が主流になっています。
- R410A(約10年前まで主流):不燃性
- R32(現在の主流):微燃性(引火の可能性あり)
R410Aは燃えませんが、R32は引火する可能性があります。そのため、冷媒が噴き出した場合、止めようとしても止まらないうえ、最悪は火災につながる危険があります。



冷媒ガスも凍傷になる恐れがある危険なものなんだね。



そうなんだ。暖房運転時は特に高圧になっているからゲージマニホールドをつけるのプロでも怖いね!だから冷房時か運転していない時につけていたよ。
家庭用エアコンは“資格不要”だが、業務用は資格が必要
家庭用エアコン(一般的な壁掛けタイプ)の場合、冷媒に触れる・補充する行為そのものは、法律で「資格必須」と定められているわけではありません。
とはいえ、冷媒扱いには重大な危険が伴い、誤ると故障・爆発・火災につながるリスクもあります。そのため 国もメーカーも「一般ユーザーが冷媒作業を行うこと」を前提にしていません。
一方、業務用冷凍空調機器(定格出力25kW以下)で冷媒の点検・充填・回収を行うには、民間資格である
「第二種冷媒フロン類取扱技術者証」が必須です。
家庭用も業務用も、冷媒ガスの性質や機器構造に本質的な違いはありません。
つまり 資格が必要なほど危険な作業であり、家庭用でも“素人が扱うべきではない” と考えるのが自然です。



家庭用は資格義務はないけど、危険すぎて素人作業は完全に非推奨なんだね!



そうなんだ。また、分解や修理を自分でやってはいけないと取扱説明書に注意書きがあるはずだよ!
そもそもエアコンのガスは「減らない」|本当のガス不足とは?


「エアコンが冷えない=ガスが減った」という誤解は、家庭で非常に多く見られます。しかし、専門技術者からすると “もっとも多い勘違い” です。
結論からいうと、家庭用エアコンの冷媒は本来まったく減りません。自転車の空気のように自然に抜けていくものではなく、「密閉冷媒循環方式」で、気体が外に逃げない構造になっているためです。
家庭用エアコンは密閉構造|冷媒は減らない理由
エアコンの中では、冷媒ガスが「液体 ⇔ 気体」を繰り返しながら熱を運んでいます。この冷媒は銅管の中を循環し、配管から外へ漏れ出さないよう完全密閉されています。
- 配管は溶接やフレア加工でしっかり密閉されている
- 正常な状態なら漏れ出す隙間がない
- 室外機・室内機の冷媒回路も密閉化されている
つまり、正常なエアコンでは“冷媒はずっと同じ量で循環する” のが正しい動作です。



じゃあ10年使ってもガスって減らないんだね!」



そう。正常なエアコンなら“ガスは減らない”。減っているってことは“どこかで異常が起きている”証拠なんだ。
ガスが減る=「どこかで漏れている」ほぼ100%
エアコンのガス不足は、経年からくる自然現象ではなく、必ずどこかに漏れている箇所が存在します。
- 配管の微細な亀裂
- 施工不良(新築・引っ越し時に多い)
- 経年による銅管劣化
冷媒を補充しても、漏れを直さなければ 必ず再発 します。そのため、ガス不足が見つかった場合は 「ガス補充」よりも“漏れ修理”が最優先 です。



補充だけしても、また減っちゃうってこと?



そう。漏れてる限りすぐ再発するし、悪化することもあるよ。
ガス補充だけする“対処法”は間違い|悪徳業者の典型手口
悪徳業者がよく使う典型手口はガス漏れがある状態で補充だけします。すると…
悪徳業者の手口
- 一時的に冷える
- すぐに冷えなくなる
- 追加の補充費用を払う
- 最終的に修理費が膨らむ
この 悪循環(ループ) に陥る家庭が本当に多いです。「補充だけで済ませて利益を取る業者」が存在するのも事実です。
悪徳業者に騙されないためにも、正しいガス不足の解決方法の手順をお伝えします。
正しいガス漏れ作業手順
- 漏れ箇所の特定
- 修理(溶接など)
- 真空引き
- 規定量の冷媒充填
冷媒が減っているということは、エアコンの冷却システムが正常に機能していない証拠です。つまり、ガス不足は単純な消耗ではなく、エアコンの重大な故障のサインでもあります。



メーカーの修理が混み合っているから早く来てくれそうな業者探そうと思ったけど悪徳業者もいるんだね。



冷えないとすぐに来てくれそうな業者に依頼しがちだけど、きちんと直らなくて費用だけ掛かるなんてこともあるから注意してね。
エアコンの冷えない原因=ガス不足とは限らない


エアコンが冷えない原因が“ガス不足”であるケースは全体の一部に過ぎません。むしろ圧倒的に多いのは、ガスに関係ないトラブルです。
- 冷えない原因①:もっとも多い「フィルター詰まり」
-
フィルターが汚れると風量が大幅に低下し、エアコンはほとんど冷えなくなります。
特に「自動清掃付き=掃除不要」と誤解して何年も放置するケースが非常に多く、最初に必ずチェックすべきポイント です。 - 冷えない原因②:送風ファンの汚れ
-
フィルターがきれいでも、内部の送風ファンが汚れていると風が弱くなり空気の循環が出来なくなるため、部屋全体が冷えません。また風量不足の他にもニオイの原因にもなるため、分解クリーニングが必要です。
- 冷えない原因③:暖房との切り替えミス・設定の誤り
-
冷房ではなく暖房になっているなど、設定間違いが原因のこともあります。
初歩的ですが、実際によくある原因です。 - 冷えない原因④:室温が高すぎて能力が追いつかない
-
強い日差し、部屋が広いなどの状況では、エアコンの冷房能力そのものが足りなくなる場合があります。これはガス不足ではなく、“使用環境”による問題“です。
- 冷えない原因⑤:冷媒循環経路の“閉塞”
-
冷媒ガスは室内機⇔室外機を循環し、熱交換を行う仕組みです。
しかし機器の故障などによって、冷媒ガスが詰まる(閉塞)ことがあります。この状態になると「冷えない・暖まらない」など、ガス不足とまったく同じ症状が出ます。
閉塞した状態のまま無理にガスを補充すると破裂・爆発の危険 があります。DIYでもっとも危険なケースの一つです。



冷えない原因っていっぱいあるんだね…



ガス不足というのはむしろ少数派。だから自己判断は危険なんだ!
ガス不足を疑うべき“典型的な症状”


元エンジニアとしての経験から、「これはガス不足の可能性が高い」という症状は次のようなケースです。
ガス不足の可能性が高い症状
- 室外機の細い配管だけが極端に冷たく、霜が付く(太い配管は乾いている)
冷媒量が不足し、正常な熱交換ができていない状態。 - 冷えるには冷えるが能力が極端に弱い
さらに、吹き出し口から- 水滴
- 氷の粒
- 水漏れ
が出てくるケース。
- 温度異常のエラーが表示される
冷媒不足で熱交換が出来ず、機器が異常を検知している可能性。
一方で“ガスが原因でない”ことが多い症状
次の症状は、ガス不足ではなく 別の要因 が原因であるケースが非常に多いです。
- 風量が弱い
ほぼフィルター詰まり・送風ファンの汚れが原因。 - 室外機の熱がうまく逃げない
周囲が物で塞がれている等の設置環境が理由。



ガス不足の症状と、ガス関係ない症状って違うんだね!



そうなんだ。だから“ガスが原因と思い込む”のが一番危険なんだよ。
エアコン ガス補充のやり方(※危険なので絶対に真似しないで)


むしろ逆に、“なぜ素人がやってはいけないのかを理解してもらうため”に、プロの作業工程を「危険ポイントを強調しながら」解説します。
エアコンのガス補充は、本来次の5工程で行われます。
- ガス回収
- 真空引き
- 気密確認
- 冷媒充填
- 運転試験
1つでも正しくできなければ、冷えない・故障・爆発 といった重大事故に直結します。



やり方は知りたいけど、やっぱり真似しちゃ危ないんだよね…?



そう。あとは手順を見ると“絶対に無理”ってわかるはずだよ。
工程① ガス回収
エアコンにはメーカーごとに定められた 冷媒の規定量(g単位) が存在し、この量が適切でないと、冷房・暖房どちらも正常に機能しません。
- 規定量より少ない(ガス不足) → 冷えない・温まらない・霜付き・効率低下
- 規定量より多い(オーバーチャージ) → 圧力以上により冷えない・温まらない・故障リスク増大
ここが重要ですが、ガスが不足している=ガス漏れがあるということです。しかし、
- 半分漏れているのか?
- 2/3漏れているのか?
- ほとんど抜けているのか?
これを素人が確認する方法は存在しません。冷媒量を正確に判断するには、高圧・低圧の圧力値、運転電流、温度差、配管状態、環境条件など、複数の専門的な数値を総合判断する必要があります。
そのためプロは、まずエアコン内部に残っている冷媒をすべて回収し、“ゼロ基準” に戻すところから作業を始めます。残量が曖昧なまま補充しても、必ず規定量からズレてしまい、正常運転になりません。



ガス回収はガス補充作業の“必須の第一工程”なんだね。



この工程には、専門のガス回収機・回収ボンベが必須であり、素人では絶対に対応できないんだ。
工般② 真空引き
ゲージマニホールドを接続し、真空ポンプを使用して配管内に残っている空気や湿気を完全に排出します。ここでは配管内の圧力を 「−0.1MPa」まで減圧 すること。空気や湿気が残っていると
- 冷房効率低下
- 冷媒流動音の増大
- 内部の腐食
- コンプレッサー故障
など重大なトラブルの原因になります。



なるほど、空気が含まれると良くないんだね。



そうなんだ。またここでも、専門の真空ポンプ・ゲージマニホールドが必須なんだ。
工程③ 気密確認
真空引きのあと、「−0.1MPa」の状態が10分以上維持できるかを確認します。
- 針が戻る → どこかでガス漏れ
- 針が安定 → 次の工程へ
漏れがあれば、まず漏れ箇所の特定と修理が必須。



ガスが不足しているのは漏れているからだから、ガス漏れ箇所を直さないと次の作業にいけないんだね。



特にガス漏れ箇所の特定は、ガスリークテスターやモンジュ液などを使いながら調べるとても高度な技術なんだ。
工程④ 冷媒充填(g単位での精密作業)
チャージホース内の空気をエアパージし、冷媒ボンベをはかりに乗せて 規定量をg単位で正確に充填 します。「缶をつないで入れるだけ」の方法では適正量になることは絶対にありません。
また、
- 冬場
- ボンベ残量が少ないとき
は規定量まで入りにくく、強制冷房運転に切り替えて吸わせながら充填する必要があります。



ガス充填はg単位で正確に入れる必要があるんだね。



ボンベの重さを計りながらガス充填をしないと、また一からやり直しだよ。
工程⑤ 運転試験
冷房運転では吸い込み温度と吹き出し温度の差が10℃以上、暖房では15℃以上を基準にします。
また、高圧・低圧バランス、運転電流、霜付きの有無、異音など、複数の指標を総合して正常運転かどうかを判定します。



こんなにやることあるんだ…



これはガス充填だけだから、ガス漏れ原因の特定や漏れ修理も含むとさらに膨大な作業量になるんだ。
DIYとプロ依頼の比較|結果的にプロのほうが安い
必要な道具一覧
| 項目 | DIY | プロ |
|---|---|---|
| 初期費用 | 7〜15万円(工具代含む) | 4万〜7万円 |
| 安全性 | 危険(爆発・凍傷) | 安全 |
| 技術 | 不可能 | 有 |
| 保証 | 無し | 有り |
| 故障リスク | 高い | 低い |
| 再発率 | 高い | 低い |
- 「ガス補充を自分でやったほうが安いのでは?」
- 「業者に頼むと高いから、DIYで済ませたい…」
と考える方は多いですが、実際には DIYは圧倒的にリスクが高く、結果的に高くつくケースがほとんどです。
- 真空ポンプ
- 逆止弁付きチャージホース
- ゲージマニホールド
- 冷媒ガス
- ガス回収機
- ガス回収ボンベ
- トルクレンチ
- 保護具(手袋など)
総額にすると 7万円〜15万円ほど。家庭用DIYとしては明らかに非現実的です。



DIYのほうがむしろ高いんだね…



そうだね。これだけの道具を揃えるなら修理依頼をしたほうがいいよ。
プロのガス補充の費用は?
冷媒そのものが高価で、さらにガス漏れ診断・漏れ箇所修復・真空引き・ガス充填・保証といった一連の作業が含まれるため、漏れ箇所にもよりますがおおよそ40,000円~70,000円ぐらいの金額帯になります。
むしろ“ガス充填だけの作業が1〜2万円で受けられる”などという「ガス補充だけ」しか行わない業者は危険です。
実はガス関連不具合の保証は長い
エアコンの電気的故障は通常1年以内の保証となりますがガス関連の冷媒回路には長期のメーカー保証があるという点です。
- 冷媒回路のメーカー保証は 一般的に5年間
- 取付時のフレア接続不良によるガス漏れは、設置業者負担になるケースが非常に多い
そのため、ガス漏れを疑った場合は、いきなり街の業者に依頼するのではなく、まず購入店(または設置業者)を通して点検依頼をするのが最優先かつ最も安全です。


FAQ|よくある質問まとめ
- ガス補充だけで直る?
-
一時的には改善しますが、ガス漏れ箇所を塞がなければ根本的な解決にはならない。
- ガスは自然に抜ける?
-
10年以上使用してもガスは抜けません。抜けていたら必ず“漏れ”ています。
- ガス充填のDIYは可能?
-
冷媒ガスは危険性も高く専門的な知識がなければ不可能です。
- どこに相談すれば一番安全?
-
まずは“購入店”に相談が最善です。
- エアコンが冷えないとき、まず自分でできることは?
-
下記をチェックしてください。
- フィルター汚れ
- 室外機が塞がれていないか
- リモコン設定(冷房/暖房の切替)
これらは最も多い原因で、ガスとは全く関係ないケースが大半です。
最終まとめ|エアコンのガス補充は“プロ一択”
記事のポイントをまとめます。
● ガス補充を自分でやるのは危険・故障リスク大・結果的に高額という最悪の選択。
● プロに任せれば安全・正確・再発しにくい・保証あり。
● 冷えない原因の大半はガス不足ではない。
● ガスが減っている時点で“エアコンは異常”。
● 正しい行動は… 自分で触らず、プロへ相談すること。
エアコンのガス補充は、見た目よりはるかに危険で複雑な作業です。
動画を見ると簡単そうに見えますが、実際は 爆発・火災・凍傷・配管破裂といった重大事故につながり、誤った作業は“エアコンそのものを廃棄レベル”にまで追い込むこともあります。
とくに、
- ガスは自然に減らない
- 減っていたら“100%どこかが壊れている”
- 補充だけはNG
という3点は、プロとして最も強調してお伝えしたい重要なポイントです。
冷えないと焦ってしまいがちですが、焦ってDIYに手を出す方が、修理費もリスクも桁違いに大きくなります。
もし今エアコンが冷えないなら、まずは「購入店」または「設置業者」に相談するのが最も安全で、結果的に“時間もお金も一番少なく済む”確実な道です。
どうか自分の身と大切な家族を守るためにも、エアコンのガス補充だけは絶対に自分で触らないでください。トラブルが起きたときは、必ずプロに相談してくださいね。



もうガス補充なんて絶対自分でしないよ!



その判断が正解!安全第一でいこう!








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