その経験上、「暖房は20度に設定しているのに寒い」という悩みは、故障ではなく“使い方や環境”が原因であるケースが圧倒的に多いと断言できます。
冬になるとよく目にする「暖房は20度が目安」という言葉。しかし実際には、20度に設定しているのに寒いと感じる人は非常に多く、
- エアコンが壊れているのでは?
- 20度って本当に暖かい温度なの?
- 電気代が心配で温度を上げられない
といった悩みが多く見られます。この記事では、暖房20度で寒く感じる理由を結論から明確にし、温度を上げずに快適にする具体策までを、初心者にも分かりやすく解説します。
【結論】暖房20度で寒いと感じる主な原因はこの4つ
キツネコロ君20度って聞くと暖かそうなのに、実際は寒いこと多いよね?



そうなの。数字だけ見て安心しちゃうけど、寒さの原因は別のところにあるんだよ。
先に結論をまとめます。
暖房を20度に設定して寒いと感じる原因は、次の4つです。
- 湿度が低く、体感温度が下がっている
- 窓や床から冷気が入り続けている
- エアコンのフィルター詰まりによる風量不足
- 体質・年齢・服装による体感温度の差
つまり、「20度=寒い設定」なのではなく、湿度・断熱・気流といった室内環境が十分に整っていないことが寒さの正体です。
体感温度は数値だけでは決まらないため、加湿や冷気対策を行うことで、多くの場合は設定温度を無理に上げなくても、寒さを感じにくい快適な状態へ改善できます。
暖房20度なのに寒い理由①|湿度が低いと体感温度が下がる



えっ、温度は同じなのに湿度でそんなに変わるの?



うん。冬は特に乾燥しやすいから、暖房してても寒く感じやすいんだ。
室温が同じ20度でも、湿度によって体感温度は大きく変わります。
一般的に、湿度が10%下がると体感温度は約1℃下がると言われています。そのため、
- 室温20度・湿度40% → 体感温度は18度前後
- 室温20度・湿度60% → 体感温度は20度以上
と感じる差が生まれます。このように、同じ室温20度であっても湿度の違いによって体の感じ方は大きく変わり、「数値上は同じ温度なのに寒い・暖かい」という差が生じます。
冬に「暖房20度なのに寒い」と感じる最大の原因は、エアコンの性能や設定温度そのものではなく、空気が乾燥していることによって体から熱が奪われやすくなっている点にあります。特に冬場は気温が低く湿度が下がりやすいため、知らないうちに乾燥が寒さを強めているケースが非常に多いのです。
暖房20度なのに寒い理由②|エアコンの冷たい風は故障ではない



暖房つけてるのに冷たい風が出ると、壊れたかと思うよ…



それ、よくある勘違い。そもそも暖房運転の場合はエアコン内部が暖まってから風を出すようにしているから、風が出ている時点でエアコンは暖まっているため動作は正常なんだ。
「20度に設定しているのに冷たい風が出る」と感じる場合、故障ではないケースがほとんどです。
エアコンは、
- 室温が設定温度に近づく
- 十分暖まったと判断
- 弱運転へ切り替え
という制御を行います。この弱運転では、室温を変えないようにあまり温めずにファンだけが回るため、その風が直接体に当たると、実際の室温以上に冷たく感じてしまうのです。特に風が顔や手足に当たると、「暖房をつけているのに寒い」という違和感につながりやすくなります。
また、天井付近だけが暖かく、足元が冷えたままの部屋では、上下の温度差が大きくなります。この状態では体の下半分が常に冷やされるため、室温表示が20度であっても、体感的にはそれ以下の寒さを強く感じやすくなるのです。
暖房20度なのに寒い理由③|フィルター詰まりによる風量不足



暖房つけてるのに、エアコンの近くだけ暖かい気がするんだけど…



それ、フィルターが汚れて風がちゃんと出ていない可能性が高いよ。
エアコンのフィルターがホコリで詰まっていると、風量が大きく低下します。すると、温風が部屋全体に行き渡らず、エアコン周辺だけが先に暖まる状態になります。
このとき、エアコン本体に搭載されている温度センサーは、本体周辺の空気温度を基準に判断するため、「設定温度に達した」と誤認しやすくなります。その結果、まだ部屋全体が寒いにもかかわらず、暖房出力を弱めたり、送風運転に切り替えたりしてしまうのです。
使用頻度にもよりますが、半年に1回は取り外し水洗いするのが理想的です。また自動清掃機能の場合にはフィルターのチェックランプが点いたら取り外して水洗いをしてください。「自動清掃付き=掃除不要」と誤解して何年も放置するケースが非常に多く、フィルターの汚れは最初に必ずチェックすべきポイント です。
暖房20度なのに寒い理由④|住宅性能・部屋環境の影響





同じ20度でも、友だちの家は暖かい気がする!



それは家のつくりの違いかも。断熱性って大きいんだよ。
同じ暖房20度でも、住環境によって寒さの感じ方は大きく変わります。
寒く感じやすい部屋の特徴は次の通りです。
- 築年数が古い住宅
- 窓が多い・単板ガラス
- 北向きの部屋
- 床がフローリングのみ
- 断熱カーテンを使っていない
特に、窓から逃げる熱は住宅全体の約50%にもなると言われており、暖房で室内をいくら温めても、その熱が次々と外へ流出してしまいます。その結果、室温表示は20度を保っていても、体は窓付近から伝わる冷気や放射冷却の影響を受け続け、実際にはそれ以下の寒さを感じてしまう状況が生まれます。
20度は本当に寒い?暖かい?正しい基準を知ろう



環境省が20度って言ってるなら、我慢するべき?



目安は目安。自分が快適かどうかが一番大事だよ。
環境省が推奨する冬の室温目安は「20度前後」です。ただしこれは、地球温暖化対策や省エネルギー推進のための「ウォームビズ」の一環であり、快適性を損なわない範囲での省エネを目的としています。
- 省エネを重視した目安
- すべての人にとって快適な温度ではない
という点が重要です。実際には、22〜23度で「ちょうどよい」「暖かい」と感じる人が多く、個人差はあるものの、このあたりが快適ゾーンになるケースが一般的です。
一方で、高齢者や女性、冷え性の人、筋肉量が少ない人などは体温調節がうまくいきにくいため、20度では寒く感じやすい傾向があります。
暖房20度で寒いときの正解|温度を上げる前にやるべき対策





じゃあ、寒いときはすぐ温度上げちゃダメ?



その前にできることがたくさんあるよ。順番に見ていこう。
① 湿度を40〜60%に保つ【最優先】



加湿ってそんなに効果あるの?



あるよ。体感温度が一気に変わるから、まずはここから
- 加湿器を使う
- 洗濯物を部屋干しする
- 濡れタオルを干す
これだけでも体感温度が2〜3℃上がることがあり、暖房の設定温度を変えなくても「空気がやわらかく暖かくなった」と感じやすくなります。
特に乾燥しやすい冬場は、この差が想像以上に大きく、簡単な加湿対策だけで寒さのストレスが大きく軽減されるケースも少なくありません。
② エアコンの風向きを下向きに設定する



風向きってあんまり気にしてなかった!



実はそれだけで、足元の寒さが全然違うんだよ
暖かい空気は軽いため、自然と天井付近にたまりやすくなります。そのため、エアコンの風向きを斜め下・床方向に調整することで、暖気を部屋全体に循環させやすくなり、足元の冷えを防ぐ効果が期待できます。
特にフローリングの部屋では足元が冷えやすいため、風向き調整だけでも体感温度が大きく改善されることがあります。
③ 窓・床の冷気を遮断する



窓からそんなに冷えるんだね…



暖房しても逃げちゃったらもったいないからね
- 断熱カーテン
- 窓用断熱シート
- ラグ・カーペット
窓や床は外気の影響を受けやすく、冷気が室内に伝わる大きな原因となります。断熱カーテンや窓用断熱シートを使えば、室内の暖かい空気が外へ逃げるのを防ぎ、暖房効率を高めることができます。
特にラグやカーペットは、床から伝わる冷たさを直接遮断できるため即効性が高く、取り入れやすい寒さ対策です。暖房設定を変えなくても、足元の冷えが和らぐことで部屋全体が暖かく感じやすくなります。
④ 服装で首・手首・足首を温める



部屋より先に自分を暖めるのもアリか!



そうそう。実は一番手軽で効果的だったりするよ
体の「首」がつく部位は太い血管が通っており、ここを冷やすと体全体が冷えやすくなります。逆に、首・手首・足首を意識して温めることで、温かい血液が全身に巡り、効率よく体を温められ、暖房温度を上げなくても体感温度が大きく改善します。マフラーやレッグウォーマー、厚手の靴下などを活用するだけでも、寒さの感じ方は大きく変わります。
暖房20度の電気代は高い?【他温度と比較した目安表】



やっぱり電気代が一番気になる…



数字で比べると、20度が高いかどうかはっきり分かるよ。
6畳エアコン使用時|設定温度別の電気代目安
暖房の電気代は「20度かどうか」だけでは判断できません。実際には設定温度を何度にするかによって消費電力は大きく変わります。そこで、20度・24度・28度を比較した目安をまとめました。
■ 1日8時間使用した場合
| 設定温度 | 1日の電気代 | 1か月の目安 |
|---|---|---|
| 20度 | 約100〜150円 | 約3,000〜4,500円 |
| 24度 | 約130〜200円 | 約3,900〜6,000円 |
| 28度 | 約180〜280円 | 約5,400〜8,400円 |
■ 24時間つけっぱなしの場合
| 設定温度 | 1日の電気代 | 1か月の目安 |
|---|---|---|
| 20度 | 約300〜400円 | 約9,000〜12,000円 |
| 24度 | 約400〜550円 | 約12,000〜16,500円 |
| 28度 | 約550〜750円 | 約16,500〜22,500円 |
設定温度を1度上げるごとに、暖房の消費電力はおよそ10%前後増えると言われています。そのため、20度と28度では電気代に1.5〜2倍近い差が出ることもあります。
暖房はつけっぱなしとこまめOFFどちらが得?



外出するとき、消すか迷うんだよね。



時間によって正解が変わるから、そこを押さえよう。
短時間の外出(30〜60分程度)であれば、つけっぱなしの方が電気代を抑えられる場合があります。これは、エアコンが部屋を一から暖め直す際に大きな電力を消費するためで、室温がある程度保たれている状態を維持したほうが、結果的に消費電力が少なく済むケースが多いからです。特に外気温が低い日ほど、この傾向は顕著になります。
一方で、数時間以上の外出や就寝中は、暖房をオフにした方が無駄な消費を防げます。長時間人がいない状態で運転を続けると、その分だけ電力を使い続けてしまうため、生活リズムに合わせてオン・オフを切り替えることが重要です。タイマー機能やスマート家電を活用すれば、快適さと節電を両立しやすくなります。


よくある質問(FAQ)
- 暖房20度は寒すぎますか?
-
人によりますが、多くの人は22〜23度で快適に感じます。加湿や断熱で20度でも十分暖かくなります。
- 室温20度なのに寒いのは異常ですか?
-
異常ではありません。湿度や冷気の影響で体感温度が下がっている可能性が高いです。
- エアコンから冷たい風が出るのは故障ですか?
-
多くの場合、送風運転への切り替えによるもので故障ではありません。
まとめ|暖房20度で寒い原因は温度ではない
記事のポイントをまとめます。
- 暖房20度で寒い最大の原因は湿度・冷気・体感差
- 温度を上げる前に加湿・断熱・風向き調整を行う
- 快適さを基準に設定温度は柔軟に調整してよい
- 工夫次第で電気代を抑えながら暖かく過ごせる
「20度だから寒い」のではなく、湿度や断熱、気流といった室内環境を適切に整えることができれば、暖房の設定温度を無理に上げる必要はありません。
加湿や冷気対策、風向きの調整を組み合わせることで、数値上は20度でも体感的には十分に暖かく感じられ、無理のない電気代で快適に過ごせる室内環境を作ることができます。









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