エアコンを使っていて、突然「キュルキュル…」「鈴虫のような音」が聞こえると、不安になりますよね。特に夜の静かな時間帯は耳につきやすく、「これって故障?」「放置しても大丈夫?」と心配になる方が多いトラブルです。
元家電エンジニア(15年以上)/第二種電気工事士 として、これまで数千件以上のエアコン異音トラブルの現場対応を行ってきましたが、結論を先に言うと、 キュルキュル音や鈴虫音は“軸受(ベアリング)”から発生していることが非常に多い です。
キツネコロ君エアコンから変な音がするんだけど…キュルキュルって。



キュルキュル音の原因や自分で出来る直し方など全部説明するから一緒に見ていこう!
エアコンをつけるとキュルキュル鳴るのはなぜ?


修理現場では、この音を「鈴虫のようなキュルキュル音」と表現される方がとても多いです。実際、一定の高い音で“キュルキュル”と鳴るのが特徴です。
軸受は室内機の向かって左側にあることが多く、ファンを支えながらスムーズに回転させる役割を持っています。しかし、経年とともに軸受が摩耗すると、ファンと軸受が擦れ合う摩擦音が大きくなり、キュルキュルという音が発生します。
特に以下のようなタイミングで起きやすい傾向があります。
- エアコンの起動直後
- 7〜10年以上使っている古いエアコン
- 風量が自動で切り替わる瞬間
基本的には、経年劣化で軸受の潤滑グリス(油分)が減ってしまうことが原因です。グリスが不足すると滑りが悪くなり、摩擦が増えるため、キュルキュルといった異音が発生しやすくなります。



なるほど!なんかモーターから出ているのかと思ったけど違うのか。



モーターからの異音って場合も確かにあるけど、キュルキュル音の9割以上は軸受からの音だね。
似ているけれど別物の音との違い


エアコンは内部構造が複雑なため、“異音の種類だけでおおよその原因を特定できる”ことが多い家電です。
しかし、似ているようでまったく別物の音もあるため、間違った判断をしないためには音の特徴を正しく理解することが大切です。
ここでは キュルキュル音と混同されやすい代表的な音 をわかりやすく整理します。
- シュルシュル・シャー・プシュー
-
冷媒(ガス)が銅配管の中を流れる音 で、正常運転時にもよく発生する音です。
また、暖房⇔冷房の切り替え時や室外機停止時に「プシュー」と音が出るのは 切替弁(四方弁)が作動した音で、故障ではありません。
- キシキシ・パキッ
-
室内機の 樹脂パネルが温度変化で膨張・収縮する際の“伸び・縮み音” です。
特に暖房運転中は温度差が大きくなるため出やすい傾向があります。これは構造的なもので、基本的に心配のいらない正常音です。
- ポコポコ・ポンポン
-
主に ドレンホース内の水が空気と一緒に吸い上げられるときの音 です。
特に気密性の高い住宅(マンションなど)で発生しやすく、換気扇を強く回していると負圧になり、ポコポコ音が強くなります。これはエアコン本体の異常ではなく、室内と屋外の圧力差(負圧)が原因の環境音 です。



エアコンって正常でもいろいろ音するから難しいよね。



そうだね。でもキュルキュル音は本当にエアコンの中に鈴虫が居るような音がするからそれで判断してね!


自分でできる対処法(安全なものだけ)
エアコンの異音は原因の幅が広く、素人が触ると悪化したり感電のリスクが伴う作業も多いですが、ご家庭でも安全に試せる“本当に安全な対処法”はごく一部だけ です。ここでは、専門的な作業を伴わず、エアコンに負荷をかけない「安全性の高い対処だけ」を解説します。
まずは、以下の2つを試すだけでも、症状の切り分けが進みます。
① 風量を変えてみる(弱 → 中 → 強で確認)
風量を変更すると、送風ファンの回転数も変化します。
回転数によっては、摩擦が起きにくくなり キュルキュル音が一時的に軽減または消えることがあります。
- 弱で鳴る → 中で止まる
- 強で鳴る → 弱だと止まる
このように“風量で音の出方が変わる場合”は、ファン・軸受け・風路など回転部が原因である可能性が高く、使用しながら様子を見る一時的な対処 ができます。
② フィルター掃除
フィルターにホコリが溜まると、吸い込みと吹き出しの空気の流れが乱れ、回転するファンに負荷がかかります。
その結果、
- ファンの偏り
- 風量の低下
- 回転ムラが起き、異音(キュルキュル・ビビリ音)
フィルター掃除は、家庭でできる対処の中でももっとも効果の高い方法です。
使用頻度にもよりますが、半年に1回は取り外し水洗いするのが理想的です。



もっと出来ることはないの?



ないんだ。安全に出来ることは意外に少ないんだよ。
絶対にやってはいけない危険な対処


エアコンの異音は自分で触れる範囲が非常に限られており、誤った対処は“高額修理”どころか“本体故障・火災・感電”につながる危険行為 です。
ここでは、一般のご家庭で“絶対にやってはいけないNG行為”を明確にしておきます。
- 潤滑スプレー(KURE 5-56等)を吹く
摩擦音=油を差せば直る、と考えがちですがエアコンには絶対に使ってはいけません。
スプレーが基板に入りショート→故障・火災の原因なる恐れや、ゴム部品が劣化し異音が悪化する可能性があります。 - 無理な分解
DIY動画を真似して分解しようとするケースが増えていますが、エアコン内部は複雑で危険。
特に 軸受やモーター周りの分解は、エアコンクリーニング業者やメーカー技術員でなければ扱えません。 - ファンを手で回す
音の原因を確かめようとして 送風ファンを手で回す行為も危険 です。モーターの保護回路が働き電源が入らなくなることがあることや、ファンの羽は非常に折れやすく破損しやすいためです。
少し触っただけで“修理コース確定”になるため、絶対に触ってはいけません。わずかな力であってもファンや軸に余計な負荷がかかり、目に見えないレベルの歪みやズレが生じてしまうと、その後の運転で回転バランスが崩れ、さらに大きな異音や振動に発展します。



スプレーで直りそうなのに…!



思わぬ事故になるから、直らない場合は必ず専門家に依頼してね。
キュルキュル音の修理費用の完全ガイド
エアコンの異音修理にかかる費用は、故障箇所や症状によって大きく変わります。特に“回転系の異音”は、軸受け・モーター・ファンなど同一ライン上の部品が影響し合うため、複数の部品交換が必要になるケースもあります。
ここでは、一般的に多い修理内容とその概算費用をわかりやすく整理します。
| 修理内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 軸受交換 | 10,000〜20,000円 |
| ファンモーター交換 | 20,000〜30,000円 |
| 送風ファン交換 | 20,000〜25,000円 |
| 点検のみ | 3,000〜5,000円 |
これらはあくまで“相場”であり、エアコンの年式・設置環境・メーカー・型番によって変動します。また古い機種では部品保有期間の影響で部品自体が入手できないケースもあります。



思ったより高いけど、買い替えよりは安いのか。



部品代と作業費に出張費も含まれるから1万円以上はかかるんだよ。
■ FAQ(よくある質問)
- キュルキュル音は故障ですか?
-
キュルキュル音の多くは 軸受(ベアリング)の摩耗・乾燥による摩擦音 です。
軽度であればすぐに故障につながるわけではありませんが、放置すると摩耗が進み ファンモーターの故障や異常停止 を招くことがあります。早めの点検が安心です - 鈴虫のような音がするのはなぜ?
-
「チリチリ」「リー…リー…」といった鈴虫のような音は、軸受の潤滑グリス切れ により金属が擦れる高周波音であることがほとんどです。
正常音の「プシュー」「シャー」とは明確に異なります。 - 自分でキュルキュル音を直せますか?
-
根本的な修理は 絶対に自分でできません。
ただし、以下の“安全にできる対処”で一時的に軽減する場合があります。- 風量を変えてみる(弱 ↔ 強)
- フィルター掃除をする
これ以上の分解・注油・ファンの手回しなどは危険なので禁止です。
- キュルキュル音にガラガラ音が混ざるのは?
-
ガラガラ音が混ざる場合、以下のように症状が悪化している可能性があります。
- ファンの軸ブレ
- モーター内部の損耗
- 異物混入
- 送風ファン破損
この状態は 完全に“要修理レベル” で、早めの点検が必要です。
この記事のまとめ
記事のポイントをまとめます。
- キュルキュル・鈴虫のような音は、ほとんどが 軸受(ベアリング)の摩耗や乾燥が原因。
- 音が出やすいのは 起動直後、古いエアコン(7〜10年以上)、風量切り替え時。
- グリスが減ることで摩擦が増し、金属が擦れる高い音が発生する。
- 似ている異音との区別も重要で、
シュルシュル・プシュー → 冷媒流動の正常音
キシキシ・パキッ → パネルの伸縮音(正常)
ポコポコ → 負圧での排水音(環境要因)
キュルキュル音はこれらとは明確に異なる。 - 一般家庭で安全にできる対処は少なく、
風量を変えてみる
フィルター掃除
の2つがメイン。一時的に軽減することはあるが根本解決にはならない。 - 逆に絶対NGなのは、
潤滑スプレーを吹く(基板ショート・火災リスク)
無理な分解(軸受やモーター付近は危険)
ファンを手で回す(破損・保護回路の動作)
いずれも故障を悪化させる。 - 修理費用は原因により大きく変わり、
軸受交換:1~2万円
モーター交換:2〜3万円
送風ファン交換:2〜2.5万円
点検だけなら3,000〜5,000円
といった相場が一般的。古い機種は部品が入手できない場合もある。
アコンの「キュルキュル音」は、ほとんどが 軸受(ベアリング)の摩耗や乾燥によって起きるトラブル です。
軽度のうちは風量や使用環境によって音が弱まることもありますが、放置すれば摩耗は確実に進み、やがてファンモーターの故障・運転停止・高額修理 に発展することも珍しくありません。
ただし、多くのケースでは 早期の点検と適切な修理 によって、まだまだ長く使い続けることができます。
無理な分解やスプレーによる応急処置は逆効果になるため、「少しでも不安を感じたら専門業者へ相談する」という判断が、結果的に最も安全でコストを抑える選択になります。








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